どろえびすの診療日記

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 今日は、いや、正確に言えば昨日から今朝にかけていろいろあって多忙だった。

 久しぶりに散髪に行こうにもその時間がない。仕方ないから近くの「カット10分、千円」という店に入った。幸いお客は誰もいない。最初だからこちらもやや緊張するし、相手の言ってくる言葉もやや硬い。いつもの理髪店なら、ゆったりと四方山話など聞きながら、途中で居眠りをしたりしながら刈ってもらうのだが、今回はそうはいかない。椅子に座ってから「はい、終わり」まで丁度十分。こんな店をたまに利用をする人の気持ちも分かるというものです。

 わたしたちの診療所も待ち時間を極力短くすることに氣を使っているのだが、たまにだが、一度にわっと患者さんが集中した時にはどうしようもない。前に「患者のおらん医者も困るけーど、こんなに待たされたんじゃあかなわん、わしゃあもう帰る」という待合い室の言葉が診察室まで聞こえたこともある。そんな時には少々あせってしまうというものである。

 昨日はそれに近かった。

 その上、仕事が済んで一杯飲みながら夕食をとって少し早く寝たまではよかったのだが、真夜中の午前二時枕元の携帯電話の呼び出し音が聞こえて目がさめた。電話に出ると、看護師の声。「あーい、何かあったん?」とわたしは言ったと思う。彼女は「Sさんの状態が悪いと連絡がありました。行かれますか」「うーん・・・行かにゃあいけんかなあ」わたしが生返事をしたものだから、看護師は心配したのであろう「先生アルコールがまだ残ってるんですか」「いやそれはない」「じゃあ、お願いします」

 結局、患家に駆けつけてみたときには患者さんはもう心肺停止していた。患者さんは96歳、最近は重い病状であったが、まだ大丈夫と思っていたのだが・・・・わたしは家族の方々に「長い間の介護ご苦労さまでした。穏やかな最期でよかったですね」とあいさつして帰った。午前4時を越えていた。

                                  ('09.9.18.)

 

 

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穏やかな最後でなによりでした。

在宅で、家族に看取られながら最後を迎え、ご本人もさぞ満足して、旅立たれたことと思います。

それにしても、24時間対応診療所のご苦労を痛感しました。
ご家族の皆様の献身的な努力とともに、先生のご活躍が、患者・家族の皆様の励みとなり、困難な在宅医療の継続となっていることと思います。

ご負担をおかけしますが、いつまでも、在宅の患者・家族の皆様のこころのささえとなっていただくようお願い申し上げます。
ご自愛いただきますとともに、ますますのご活躍ご健勝をお祈り申し上げます。

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