2009年10月アーカイブ

どろえびすの診療日記

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kuma さん、tani さん、もーらす さん反応ありがとう。今日も患者さんが多くて疲れましたが、一人ひとりが百様で面白い。

どろえびすの診療日記

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前回誤字が一つありました。「語尾」でした、恥ずかしいが訂正します。

どろえびすの診療日記

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 認知症の冷蔵庫

 

 今頃認知症の人は多いが、訴えや、症状もさまざまなら問題行動もさまざま。長い間患者さんを診ていると、特徴的ないろいろなことに気づく。

 発症の初期には、「自分は呆けてきてるんじゃあないか」と思い悩んだり混乱したりする時期がある。

 今日おいでになったSさんは82歳、若い頃は戦後で働きにはたらいて、女手一つで一人息子を育てた。その息子は医学部を出て今はバリバリの神経内科医。息子の同居のすすめにも同意しないで、認知症状が顕在化してきた今も気丈に独居を続けている。最近は診察に訪れるたびに息子には言えない不安な気持ちを少しだけ話すようになった。

「センセ、最近何かおかしいですわ」

と言う。わたしが

"何がおかしいの?"

 と言うと

「今日が何曜日かわからなくなったしですね、要らないものを買ってくるし、この前ね、砂糖を買ってたのにまた買ってしまうんです。昨日もね、先生の診察をすませてから買いものに行くつもりだったのに、先きに買い物行ってですね、まあ、美味しそうな柿ねえと思って柿を買ったんですね、そしたら診察に来るのを忘れてしまいました」

"ま、それくらいはあるでしょう、年をとるとね"

「まだ呆けてはいないと思うんですけどね・・・、呆けにだけはなりたくないですからねえ、先生、どうでしょう」

 診察に来られるたびに同じことばかり言われるし、クスリの管理もできなくなっているから、もうとっくに認知症になっていることは明かなのだが・・・、わたしは

"まだまだ・・・"

 と言ってその後尾を濁した。

 「認知症の方の冷蔵庫は食べもので満員、うつ病は空っぽ」と言うが、Sさんを訪ねたときに「ちょっと冷蔵庫みせて・・・」と言って、彼女が

「まあ恥ずかしい」と躊躇している間に冷蔵庫を開けてみると中は新旧とり混ぜた食べもので満員、それに異様な臭気も・・。   ('09.10.23.)

どろえびすの診療日記

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この女(ひと)呆けてるの? ぼけてないの?

 

診療所のある倉敷市水島の南部一帯は大工業地帯。工場の煙突の真下みたいなところにも未だたくさんの人が住んでいる。でも、ここもだんだん高齢化している。

わたしが定期的に往診している婦人はもう86歳。

彼女の病気は今はやりの認知症。それに腰痛(こしいた)に膝痛(ひざいた)。これは少しばかりの野菜とミカンつくりの重労働がこたえて悪化したものであろう。今では畑に出るのもままならず、たまに二本杖で外に出るのがやっとである。野菜つくりを趣味にしているわたしは、往診のたびに毎回一つだけ質問をして、わたしの野菜つくりのヒントにしている。もちろん彼女の脳をちょっとだけ刺激するためでもある

「空豆はいつタネを蒔くの?」

 すると、かなりひどい難聴の彼女は、何?今何言った?みたいな表情になり

「空豆かな、そりゃあなあ、あんたあ、昔はなあ、祭りの時季にタネまいてたなあ、来週くらいじゃあなあ」

 と大きな声で教えてくれる。ま、この声が続くかぎりはまだまだこの女(ひと)も死にそうにない。

「あんた、空豆を植えんさるかな、他にはなにを作っとりんさるんかな」

「米も作っとるでえ」

「えー?米もつくっとるんかな」

「ええ」

「なんぼう」

「二反」

「へーっ、忙しいのによう作っとりんさるなあ」

 米をつくっていると聞いたとたん、わたしにたいする彼女の態度が変わってしまった。

「白菜の苗つくっとるから、余ったのをもって来ようか?」

「4、5本つかあさるかなあ」

「わかりました、今度来るときに持参しましょう」

 次の往診時、わたしは白菜のことはすっかり忘れていた。彼女は

「先生が白菜の苗をもってきてくれたらいけんけん、お返しに、わたしが採ったお多福まめとアラスカ、それにこれは春になって蒔くんじゃあけど、三尺ササゲのタネを用意しておきました。植えてつかあさい」

「今日診療所に来てから白菜忘れたの思いだしたんよ。明後日届けるけん、ごめん、ごめん」

 わたしは二日後は白菜の苗10本を持参し裏口に置いた。

 また次の往診の日

「先生、あの苗は陽陰(ひかげ)でつくったんじゃあないか、茎がひょろ長いし、葉っぱも色が来とらんでな」

「はあ、すみません、ご指摘のとおりです。来年はええのをつくりますから・・・」

「そえでもなあ、あれからもう二週間経ちましたけんなあ、大きくなりました。帰りに見てちょうだい」

「はい、見させていただきます」

「先生、すまんけどなあ、ブロッコリーの苗があったら一本だけちょうだい」

「はい、あげます」

 翌日、数本のブロッコリーと、それにタアツアイ、水菜、紅菜苔(こうさいたい)の苗を各数本を持参して閉まりの悪い裏口に置いた。今度往診したときには彼女は何というだろうか。きっと

「水菜やブロッコリーはわかるけど後のはありゃあ何の苗ならな?」

 と言うに違いない。                     ('09.10.21.)

どろえびすの診療日記

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 新インフルエンザの流行で戦々恐々ですが、幸いなことに当診療所ではまだ一人もそれらしき患者さんが出ていないのですが、季節型インフルエンザのワクチンははじめました。今日の接種者はわたしを含めて9人でした。

 それより、今日、78歳のご婦人に肺結核がでました。

 それらしき自覚症状がなかったので二年振りに来院されて見つかりました。

 でも、この患者さんはわたしの話におちついて対応されました。

 結核も油断なりませんね。

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先月の介護認定審査委員会での話です。

 審査委員は介護老人保健施設の施設長は50歳くらいの男の方、介護入所施設の指導員も60歳くらいの物静かな男の方、それに40歳くらいの歯科医師の方にわたしの4名で構成されていた。9月も終わりだから10月からまた基準も変わるらしいから、一気に残りを済ませたかったのであろう、平常の1・5倍の人数の審査があった。

 それにしても、歯科医師をはじめ、みなさん書類に十分目を通しておられるのには全く感心する。

 ありがとう。

 会が終わって、外に出るともう午後九時前。正直夜遅い会議は老体にはこたえる。市役所の高い建物の陰のようなところで平常話を交わしたことのない中年から老年の男が4人、審査委員会では言えなかったことをほんの一時だが話した。

 わたし「医療崩壊といいますけどあちこちで問題山積ですなあ」

 指導員の方「10月から認定審査基準がまたまた最初に戻るんですか、利用者もかないませんなあ」

 歯科医師「そもそも、こんなに悪くなったのは小泉内閣からですよ。あれから悪くなりましたですねえ」

 施設長「今度の厚労大臣は年金のことしか知らん言うんじゃあけんなあ、医療はどうなるんですかなあ、かなわんなあ、ほんまに・・・」

 最近のS紙によると、前の厚労大臣から新しい長妻大臣への申し送りのときに、新大臣は「わたしは年金のことしかわかりません。一度40分ほど時間をとっていただいていろいろ教えて下さい」と言ったと報道された。その後の報道でも前の大臣のスタッフが新大臣のスタッフに加わるとか・・・、頼みますよ、え、ええようにやってつかあさいよ。

('09.10.6.)